UB RAILFAN  モンゴル鉄道ガイド その他・雑情報

    その他、モンゴルの鉄道利用に役に立ちそうな雑情報


    モンゴルの寝台車は、上段ベットに転落防止設備のない車両があります。

     

    一部の古い寝台車には、転落を防止するためのスチールパイプ製の柵や、日本の寝台車のようなベルトがありません。

    これらの客車の製造されたロシア・東欧圏の人たちは寝返りを打たないので必要ないらしく、ごく一般的な仕様のようです。

    寝台利用の際はぜひとも下段を指定して予約する事をお勧めします。

    モンゴルの場合、中国などとは違い上段も下段も同じ料金なので、当然下段から予約は埋まってゆきます。

    また下段ベットの予約が出来たとしても、運悪くコンパートメント同室の上段が、お年寄りや幼い子供を連れた女性で、

    あなたが若く健康であれば、当然のように下段寝台を譲らなくてはならないような状況もあるかもしれません。

    私も一度だけ上段寝台を経験しましたが、もし落ちた時、頭を窓側にしていた場合は窓下にある頑丈なテーブルに頭をぶつけ

    首の骨を折ってえらい事に、頭を通路側にしていた場合もテーブルに足を引っ掛け頭から床に叩きつけられやっぱり首の骨を

    折ってえらい事に・・・そう考えると恐怖で全く熟睡できませんでした。

    鉄道紀行作家の宮脇俊三さんは、海外の寝台車を利用する際には帯紐を必ず携帯して、自分の体を固定したり

    寝台に張り巡らせるように準備していたそうです。

←転落防止設備のない民主化以前に製造された

 古い4人用コンパートメント車の上段寝台。

 

4人用コンパートメント車で転落防止設備のある比較的新しい車両が連結される割合は、北京・モスクワ・イルクーツクへの国際列車=100%、二連への国際列車=50%、その他国内列車=0〜20%といったところです。また中国国鉄の客車は100%転落防止柵が付いています。

 

←開放タイプの寝台車の上段

 

たまたま私が乗車した車両にはリュックサックの腰のベルトのような、ナイロン製のベルトにプラスチックの留め具が付いていました。すべての車両に付いているかどうかは不明。

 

 


    寝台車のシーツは有料です。

     

    寝台車を2時間以上利用する場合、乗客は必ず有料(1,000トゥグルク)のシーツを借りて利用しなくてはなりません。

    列車が発車すると車掌が洗濯済みでビニール袋に包装されたものを配布しに来ます。

    中にはシーツ1枚、枕カバー1枚、フェイスタオル1枚が入っています。シーツは敷ふとん・掛ふとん兼用で正方形、

    まともに四角形に半分に折ると足が出てしまうサイズなので、三角に折るのが正しい使用方法のようです。

    終着駅に到着する30分から1時間前に、シーツは車掌が回収に来ます。

    中国客車で運転される国際列車は無料でした。


    車内販売もあります。

     

    食堂車が連結されていない列車では、食料はあらかじめ購入しておくことが望ましいですが、

    車掌さん又は売り子が、スーパーマーケットにある籠にお弁当を入れて販売に回ってきます。

    お菓子類・カップラーメンなども販売しています。

    また各車両に備え付けられたサモワールのお湯で入れるインスタントコーヒー・紅茶も車掌さんに注文すれば

    コンパートメントまで届けてくれます。列車によっては最初のコーヒー・紅茶は無料の場合もあります。

←国内列車のサモワール上に掲示された車内販売のメニュー 

上からモンゴル語・ロシア語・英語で

コーヒー(インスタント・砂糖ミルク入り) 300T

インスタントシリアルティー 300T

インスタントミルクティー(入り) 300T

リプトンティー 250T・お湯(カップ1杯) 50T

ボトル入りミネラルウォーター(500ml) 350T

フルーツジュース 700T

シーツ(国内列車) 1000T ・ シーツ(国際列車) 1750T

T=モンゴルトゥグルク 価格は2011年7月のもの

 


    各車両には石炭式サモワールがついています。

シベリア鉄道での旅の友、石炭式のサモワール(湯沸かし器)が

各車内に据え付けられています。

お茶だけでなくカップラーメン持ち込みもとても便利。

まだ沸いていない時もあるので温度計を確認の事。

 

左写真は中国国鉄の国際列車車輛のものですが、

モンゴルの車両も同じものが付いています。

 


    車内は食堂車を除いて禁酒です。

     

    モンゴルの雄大な風景を眺めながら、快適なコンパートメント内でお酒を飲むなんて誰もが思い描くかと思いますが、

    残念ながら食堂車以外の車内は禁酒です。見つかった場合は罰金を支払わなくてはなりません。

    モンゴルの人はお酒(主にウォッカ)を飲むととことん飲みます。残念ながら最後には暴れてしまう人も少なからずいる事も、

    このような規制がある事情かと思われます。

    国際列車においてはその規制は緩いようで、中国客車の北京行き国際列車はコンパートメント内の飲酒は可能でした。


    喫煙・禁煙状況

     

    コンパートメント内・廊下を含む寝台車内は禁煙ですが、

    1方のデッキ(車掌室・ボイラーが無い側で通常使用しない方)が喫煙所となります。

    食堂車は飲酒と共に喫煙も全面可能、全く分煙はされていないので煙草嫌いの方にとってはつらいかもしれません。

    ウランバートル駅も現在は構内全面禁煙です。

    2013年3月1日、モンゴル国は法律により公共の場所はすべて禁煙となりました。状況は変化している事と思います。


    ウランバートル駅では遅れた列車の接続待ちはしません。

     

    列車の運転時刻はわりと正確なのですが、ウランバートル着の列車の遅れはたまにあります。

    しかしそれに接続する列車は、遅れた列車を待つことなく時刻通りにきっちり発車してゆきます。

    下記のような乗り継ぎのスケジュールはあまり組まない方が無難です。

    (例)

    ザミンウード発275列車(UB着 9:25)→スフバートル行271列車(UB発10:30)

    スフバートル発272列車(UB着16:20)→ザミンウード行276列車(UB発16:30)

    下の10分の乗り継ぎは、混雑によりホームの移動に非常に時間がかかるので、時刻通り到着であっても厳しいです。


    夜行列車の利用には懐中電灯を準備しておいた方が良いです。

     

    国内列車に使用される古い客車の室内照明は車軸発電方式です。

    これは車輪の回転により発電した電力をバッテリーに充電し、その電力で室内の照明を点灯させる方法です。

    すなわち、停車中でバッテリーが充電されていない場合、特に始発駅で停車中の車内は真っ暗である事が多く、

    列車が動き出し、ある程度スピードが出るまで照明は点きません。

    一応非常用の照明が点いてはいるのですが、それは豆電球に等しい明るさで、

    コンパートメント内では人がいるかどうかの判別さえも難しい状態です。

    夜行列車を利用する場合は懐中電灯を準備しておくのが望ましいと思います。

    (ちなみにモンゴルは停電が頻繁に起きるので、夜行列車を利用しなくても懐中電灯を準備しておく事をお勧めします。)

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