UB RAILFAN  ウランバートル市内のレールバス

(注)2014年9月30日で運行取り止めとなりました。レールバス車両は、

10月20日よりウランバートル〜ダルハン間の急行列車として再スタートします。

 

アムガラン駅にて

概要
 2014年6月6日より、トルゴィット〜ウランバートル中央駅〜アムガラン間、約17kmで運行を開始した、2両編成のレールバス

によるモンゴル初の鉄道による都市交通です。1編成をロシアから購入し、1日にトルゴィット〜ウランバートル間を6往復、ウ

ランバートル〜アムガラン間を4往復します。これに伴いУБТЗ-65жил(ウランバートル・トモルザム・ジャルンタウ・ジル)〜トル

ゴィット間は、今まで単線だったものが単線並列化されました。また、途中に新設される駅についてはウランバートル市の予算

3億トゥグルクを使って建設されました。

 この区間は道路渋滞が末期的症状となってしまったウランバートル市において、メイン通りであるエンフタイワン通りの下に

地下鉄を建設する構想が2010年に発表された場所。しかしその後、国の経済が傾き状況は一変、2017年に開通する話は

夢と消えてしまっています。

 既存の3駅(トルゴィット、ボクザル、アムガラン)に新設された5駅。新設された駅はすべて簡素なホームを設置しただけの無人

駅です。(ドノド・ゴル駅は2007年まで運転されていたナライハへの市郊列車が廃止されて休止状態だったものが復活したもの。)

 駅名については資料によってさまざまで、まだ統一されてません。УБТЗ-65жил(ウランバートル・トモルザム・ジャルンタウ・ジル)

は「ウランバートル鉄道65周年」という意味で、貨物ヤードであった УБ2 (ウランバートル第2)駅の横にホームを建設し駅としたもの、УБ2 駅とも表記されます。ВОКЗАЛ(ボクザル)とはロシア語で中央駅を表し、長距離列車で言うウランバートル駅と同じ、УБ1

も表記されます。ХУДАЛДААНЫ Т?Вは駅の南側に新しくできた市場の名前なのですが、駅の北側に古くからある市場 НАРАНТУУЛ ЗАХ (ナラントール・ザハ)とも表記されます。

(※注意:2014年8月13日よりボクザル〜アムガラン間の3駅は通過となりました)

 

乗車のしかた・切符・運賃

 切符は車内で車掌から購入します。駅員のいる既存の3駅でも改札は無く、切符の販売も行っていません。

 運賃の計算方法は至って明快で、1駅区間で大人500トゥグルク、子供は200トゥグルク。トルゴィット〜ボクザル間で大人1,500

トゥグルク、ボクザル〜アムガラン間で大人2,000トゥグルク、全区間の乗車で大人3,500トゥグルクとなります。

 ボクザル駅では長距離列車とホームが共用のため、1〜3の何番線に入線してくるか寸前まで解りません。モンゴル語の駅の

案内放送が解らない場合は、地下道のすぐそばで待ちましょう。

左写真:簡素なホームだけの УБТЗ-65жил駅。新設された駅はどこも似たような造り。どこの駅でもベンチに人が座っているのが見られるのですがレールバスには乗車しません。酒盛りをしている人たちもよく見かけます。

右写真:車内で販売される切符は鋏で切り取るタイプ。これは1500トゥグルク分の切符。

 

 

(参考)3駅に停車していた2014年8月12日までの時刻表

 


車両の紹介

形式:РА-2 (エル・アー・2=アルファベット表記だとRA-2)

 ロシア・Metrovagonmash社で2006年から量産された車両。日本人から見れば立派なDMUなのですが、ロシアではレールバス

に分類されます。ロシア、モンゴル以外にもリトアニア、ウクライナでも活躍し、総ユニット数は100以上に及びます。1両に350kw

のエンジンを1機搭載し、シャフトを介して運転台側の台車が駆動台車となります。最高速度は100km/h。他国では間に付随車を

挿み、3両、4両編成でも運転されています。

 現在ウランバートルでは1編成しかなく予備車は無し。車番は2両ともРА2-001。2両は重連タイプの機関車と同じようにАБ

区別されます。2両編成での座席定員は136人、立ち席を含めれば350〜400人の乗車が可能との事です。

 ウランバートルに配属された車両はグレードの高い冷房付きタイプ。この車両については冷房無しが主流のようで、冷房付き

のものは画像検索してみると、ロシア国鉄の視察車と、サンクトペテルブルク〜フィンランド国境近くのヴィボルク間で運行されて

いるものでしか見つけられません。

 ナーダム期間中(7/10〜7/14)は毎日のトルゴイット〜アムガラン間の運行を停止し、ウランバートル駅からダワーニ駅までの

競馬観戦のための臨時列車に使用されました。

乗降ドア

中央一か所にある両開きドア。内外部のボタンを押すと開閉し、最下段のステップも自動で降りてくる。高床タイプのプラットホームに到着した時は壁に跳ね上げた踏み台を下ろしホームとの隙間を小さくします。(こちらは手動) 

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車内

乗降デッキと客室の間には両開きのデッキドア。デッキドア上部の案内表示器には現在の時刻や次の停車駅が表示されます。座席は2+3列のボックスシートが基本ですが、デッキドア部は2席分のロングシート、トイレ横は4席分の折り畳みシートが配置されます。窓は上部が内倒し式ですが乗務員が持つキーでロックを解除しないと開閉は出来ません。運行を開始してまだ月日が経っていない、何より客が乗っていないので車内は至って清潔。エアコンも効き路線バスと比べたら100倍快適。

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トイレ

トイレは1両に1箇所(1編成で2か所)、乗降デッキのすぐ横にあります。短距離客しか乗らないレールバスには過剰ではないかとも思われる設備です。乗務員に鍵を開けてもらわないと使用は出来ません。ほとんど使用されてませんのでトイレも至って清潔。

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台車・連結器

左写真は運転室側の動力台車。右側にエンジンがありシャフトを介して車輪を駆動させます。付随台車の形状は動力台車と同じ。右写真はА・Бを繋ぐ棒連結器。この連結器はよく見るとスウェーデンのメーカーのもの。

 


2014年7月時点での現況

 とにかく客が乗ってません、誰も乗っていないに等しい状態です。2往復したものの私たち以外に乗客は1回(一人)しか

見ませんでした。乗務員に聞いてみたところ、毎日どの時間帯もこの状態との事でした。考えられる原因として、

 1、ウランバートル鉄道・ウランバートル市のPR不足。

 2、夏休み期間中であった。9月から増えるかも・・・

 3、列車本数が少なく利用しにくい。

 4、運賃が高い。並走する路線バスは運賃一律500トゥグルク、UB駅〜ボタニク間を並走するトロリーバスは300トゥグルク。

 5、市中心部から鉄道駅まで離れている、歩道も整備されていない。

 6、モンゴルの上流階級はどんなに渋滞していても車での移動が基本。また、ある程度の中流階級以上の人たちは

   公共交通機関を利用するのは恥ずかしいという考えがある。(私は公共バスには一度も乗ったことがないというのは

   一つのステイタス)

 

 せっかくの素晴らしい車両もこのままでは宝の持ち腐れ、早急に車両の増強をし運転間隔をせめて30分程にして乗車チャンス

を増やすべきでしょう。アムガラン方面も用地はあるので単線並列化も可能です。治安が悪くなりがちな線路沿いにも対策を施し、

駅周辺、駅から街への歩道の整備も必要です。あまりにも酷すぎる道路渋滞の解消のためにも、鉄道による都市交通システム

がどんどん発展していって欲しいと思うところです。

 このままではいつか運行停止。車両は鉄道関係者の視察車となってしまいそうな予感がしないでもありません。

 2014年8月13日より、ボクザル〜アムガラン間の3駅が通過となってしまいました。


参考資料:在モンゴル日本国大使館HP内の経済トピック

       ウィキペディアのРА-2車両解説ページ

写真の撮影はすべて2014/7/26


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