UB RAILFAN  車両ガイド機関車編 (6)  MR1000

    MR1000

     

    MR1001 (2011/7/15)

     

    形式MR〜はモンゴル政府100%出資のモンゴル鉄道株式会社の保有する機関車で、ウランバートル鉄道にリースされ

    使用されています。最初に登場したMR1000はアメリカ・ゼネラルエレクトリック社製のエボリューションシリーズで

    現在のところMR1001の1機のみ存在します。2009年3月にデビュー、テスト期間を終え2009年9月に正式に引渡しされました。

    エボリューションシリーズとは同社で2005年から製造されているアメリカ環境保護局の鉄道車両の排出規制に適合する

    電気式ディーゼル機関車。オリジナルの形式はES44ACi 。本家アメリカで活躍する同系列とはスタイルは全く異なり、

    スマートな箱型車体に両運転台構造です。4400馬力、交流モーター、単機で長大な貨物列車、石炭運搬列車の運用に

    就きます。

     

    この機関車が入ってきた時期、アメリカ政府のODA機関・ミレニアムチャレンジ公社によるモンゴルの鉄道分野への

    巨額な援助が予定されていました。内容には線形の改良の他、新型機関車の導入も盛り込まれていました。

    しかしその後、さまざまな事情からロシア側から援助を受ける事に方向転換せざるしかない状況となり、この案件は

    流れてしまいます。もし当初の予定通り、アメリカからの援助を受けていたとしたら、おそらく現在のモンゴルの鉄道は

    この機関車が主流となっていたのではないかとも思われます。

     

    モンゴルではたった1機のみですが、カザフスタンにもこれと同形、塗装まで同じものがТЭ33А という形式で大量に発注され、

    「アメリカ人」という愛称で活躍しています。


    MR1001 (2011/5/15)

    サイドから見ると、非常に車体が長く、機関車らしからぬスマートな車体が特徴。

    後ろに見えるのはライバル機? 2ТЭ116УМ

    アメリカから来た、一人孤独、腰のブルーから、お化けのQ太郎の「ドロンパ」と日本人なら愛称を付けてやりたいところ。 


    MR1001+2M62M-054 (2012/8/4)


    MR1001 (2009/5/24)

    デビューして間もない頃。まだ前面にソヨンボ、側面に国旗の貼られていない時の姿です。


    MR1001 (2012/11/17)

    両運転台にもかかわらず、なぜかターンテーブルで方向転換。


 

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