まず、モンゴルの客車の大きな特徴として、ウランバートルで観察する限り、座席車というのが存在しません。
お客を乗せるのはすべて寝台車で、その他に食堂車や荷物車といった付随する車両があります。
昼行列車も走っていますが、これらも寝台車を座席車として発券するだけでなく、寝台利用を前提にも発券もされ、
昼間のシーツの貸し出しもあります。
日本で言う○○系・○○型と言った形式という概念は無く、
車体隅に貼られたプレートの「MECT(アルファベット表記だとMEST)+数字」は単にその客車の定員を表します。
「MECT18」は2人用コンパートメント9室=定員18名、
「MECT36」は4人用コンパートメント9室=定員36名、
「MECT54/81」は寝台使用時定員54名、座席使用時定員81名の開放型寝台車です。
1等車・2等車・・・といった等級で表さないのも社会主義時代の思想の流れかと思います。
外見での特徴はヨーロッパスタイルでもアメリカスタイルでもない、ソ連式の自動連結器+バッファー装備。
暖房は各車両に備え付けられた石炭ボイラーによる蒸気暖房で、これは酷寒の地において機関車の故障や
停電による走行不能といったいかなるトラブルにおいても、乗客を凍死させる心配の無い方法として今も受け継がれています。
現在もコメコン時代から製造されているものが主流ですが、エアコン付きの新型客車も中国製・ロシア製1編成ずつあります。
以下の車番表は管理人の趣味活動で確認した番号で、食堂車が100、開放寝台車が1000を跨いでいたり、
4人用コンパートメント車が300番台が欠番だったり、どのような法則で番号を振っているのかは全く理解できません。