UB RAILFAN 車両ガイド客車編 (3) 客車のカラー

モンゴルの客車のカラー

※ここに登場する塗装名は、UB RAILFANの管理人が勝手に名付けたものです。

①旧塗装（国際列車用塗装）　（濃い緑色・白帯）

社会主義国の客車の標準色とも言える濃い緑色に窓下1本の白帯。私がモンゴルに来た2006年当時、この塗装の多くの客車が後記する新塗装（国内列車用塗装）に更新中でしたので、こちらを旧塗装と勝手に名付けさせていただきました。

現在、北京・モスクワ・イルクーツクへの国際列車の運用につくのは原則としてこの色。他に二連までの国際列車の2編成中1編成がこの色です。

2008年に登場した北京行き国際列車専用客車はじめ、国際列車には比較的新しい客車が運用されますので、「新しい客車＝旧塗装」と言葉の上では矛盾してしまいます。

左の写真は2006年春に撮影した国内ローカル列車。この頃は国外に出ない開放型寝台車も多くがこの塗装でした。

昔のモンゴルの客車はすべてこの色だったように思えます。

②新塗装（国内列車用塗装）　（明るい緑色・黄帯）

明るめの緑に黄色帯。

運用されるのは国内列車のすべてと、二連までの国際列車の2編成中1編成で、現在のモンゴルの客車のほとんどがこの色です。旧塗装の国際列車用客車に予備があまりないため、ごく稀に北京やモスクワまで行ってしまう事もあります。

軽快な塗装ですが、ベトナムの客車もほぼ同色、ロシアのモスクワ地区でも同色が存在しますので、こちらも社会主義国の一つの標準色と言っても良いかもしれません。

2008年には、間違えてしまったのか1両だけ白帯車も存在していましたが、現在は黄帯に改められています。

追記：2013年5月より黄帯から白帯に順次更新中です。

③アルタンゴビ色　（水色・黄帯又は白帯）

国鉄103系の京浜東北線スカイブルーに常磐線エメラルドグリーンを少し混ぜたような鮮やかな色。帯の色は黄と白で2種類存在します。

現在はフフホトに直通する客車（白帯）、VIP用の客車（黄帯又は白帯）のみの少数派。

かつては北京・モスクワ、北京・ウランバートル国際列車のモンゴル国内のみ連結される食堂車と2人用コンパートメント車が白帯、二連までの国際列車に使用されるのが黄帯で存在していたのですが、2008年から2009年にかけて新塗装に更新されています。

二連までの国際列車に使用されていた黄帯車の一部では、側面に「АЛТАН ГОВЬ」（アルファベット：ALTAN GOBI＝アルタンゴビ）の表記のある車両が存在したのでこのように名付けてみました。

「アルタンゴビ」は和訳すると「黄金のゴビ」「素晴らしいゴビ」となります。モンゴルのビールの銘柄でもあります。ゴビと言えば砂漠をイメージしてしまいますが、側面のイラストにあるように実際は山も川もあり野生動物も多く生息する自然の宝庫となっています。現在は金鉱山の開発も進み、本当に「黄金が出るゴビ」になりつつあります。

④ソロンゴ色　（青・白帯）

明るめの青に白帯。

4人用コンパートメント車のみ8両存在しました。

おそらく当初は決まった運用に就いたり団体用として登場したものと想像しますが、2006年の時点では1両単位ばらばらで国内ローカル列車を中心に運用されていました。

こちらも2008年から順次新塗装に更新され、現在は絶滅。

こちらも一部の車両（8両中3両）の側面には「СОЛОНГО」（アルファベット：SOLONGO＝ソロンゴ）の表記がされていました。

ソロンゴの意味は「虹」。モンゴル人の女性の名前でもあります。

⑤謎の紺色客車　（紺・グレー帯）。

深い紺色にグレーの帯、僅か3両のみ確認しています。

この色の車両はすべて、窓は金色枠の内倒し式に改造され、車体中央の国章とナンバーはステンレス地板に金の切り文字となっており、外観だけはグレードの高い仕様になっています。いつも客車区で休んでおり、滅多に姿を現さないのですが、2008年夏にはウランバートル・二連国際列車に1両だけ連結されるバイカル・ゴビ・エクスプレスというツアー形式の列車に使用されました。ごく稀に21/22、33/34、275/276列車に連結されることもあります。2012年9月に新塗装に更新され絶滅しました。

⑥　******

2013年7月、こんな塗装の客車も登場しました。新しい塗装名も考えなくては・・・・

他にも軌道検測車が赤に太い青帯、消防車が赤に白帯で存在しますが、このページでは省略します。

2014年5月にはモスクワ行き国際列車用の新型車両も登場し、また種類が増えました。

■北京行き国際列車用客車→

客車ガイドIndexへ戻る

HOMEへ戻る